屋根のリフォーム

ストレート(化粧)屋根とは

平成18年9月1日でアスベストが完全に規制され、それ以降に建てられた住宅の屋根材はノンアスベストの屋根を使用しなければならなくなり、ストレート屋根が規制直後は主流となった。

セメントを基材とした厚さ約5mmの屋根材を化粧スレート(=ストレート屋根)と呼び、ストレート屋根はケイミュー社のカラーベストシリーズの中のコロニアルという商品が大部分を占めるため、ストレートのことをコロニアルやカラーベストと呼んでいる。

そのストレート屋根の中に、ニチハ社のパミールという屋根があり、これが劣化速度が速く、10年でミルフィーユ状になることで有名。コロニアルとパミールは外観がよく似ているので見分ける際は注意が必要。

とはいえ、コロニアルも負けず劣らず劣化が早いので、15年も経つと欠けたりしてくる。中にルーフィングがあるのですぐに雨漏りはしないものの、欠けた段階でカバー工法もしくは葺き替えを検討する。

ストレート(化粧)屋根の修理

屋根の修理には、基本的には板金業者を選び塗装業者は選ばない。〇〇建設株式会社となっていても、実際の修理はその従業員だけではなく、専門職を抱える業者と協力して行っている。

修理方法には、

  • 屋根塗装・・・屋根に塗装する
  • 屋根葺き替え・・・屋根を撤去して新しくする。
  • 屋根カバー工法・・・古い屋根の上に新しい屋根を乗せる
  • 屋根葺き直し・・・古い屋根を外してからリペアしてまた戻す。

等があり、ストレート屋根は、瓦屋根の重さを10とすると重さが5くらいなので、ストレートの上から重さが3くらいの金属屋根をかぶせるカバー工法か、ストレートを撤去して新しい屋根を敷く葺き替えのどちらかを選択するのが一般的。

屋根の塗装は2回までで、縁切り=隙間作り必須。今は縁切りにタスペーサーを1パネルの左右に二つはめ込んで隙間を作っている。

屋根の種類

屋根の種類は、

  • ストレート・・・セメント基材で瓦の1/2以下の重量で耐震性があるのと安価なのが特徴。苔が生えやすいのと割れやすいのがデメリット
    • コロニアルNEO(第二世代)・・・現在は販売されていない。ミルフィーユ化問題
    • コロニアルクアッド(第三世代)・・・NEOをアクリルコートして耐久性を高めた基本のストレート屋根材
    • コロニアルグラッサ・・・アクリルよりも色褪せしにくく、カラーデザインを増やしたグラッサコートを施したストレート屋根材。クアッドは10年で色落ちするので再塗装が必要となるがグラッサは30年持つとされる(がしかし10年以降定期メンテナンスをして問題があれば再塗装40万とかでやるのが望ましい)。価格はグラッサの方が30坪で3万~5万くらいの違いが出る
    • 遮熱グラッサ・・・遮熱性能を高めたコロニアルグラッサ。その分金額が上がる。遮熱効果はホワイトが最も高いが汚れのリスク。グレーがおすすめ?
    • グランデグラッサ・・・グラッサのデザインを高めたもの
    • プレミアムグラッサ・・・グラッサのデザインをさらに高めたもの。レイシャスグラッサ、グラッサ600、グラッサ600シャッフル
  • 金属・・・最近の金属屋根は、犠牲防食(鋼板が錆びるよりも早く、めっき成分(主に亜鉛)が溶け出して錆び、錆びた部分が酸化膜となり、傷ついた部分を覆うので化学的に中和した状態になるので、それ以上の錆の進行を抑える。)と、アルミニウムによる不動態皮膜(酸化膜をはり、酸などに侵されても溶け出さず、下の金属を腐食から守る)により従来のトタンに比べて耐久性が上がっている。
    • トタン(Zn:ほぼ100%)
    • ガルバリウム鋼板(Al:55%、Zn:43.4%、Si:1.6%)・・・断熱材が中に入っている。
    • 新ガルバリウム鋼板(エスジーエル鋼板)(Al:55%、Zn:41.4%、Mg:2%、Si:1.6%)・・・・スーパーガルテクト(IG工業)とニチハの横暖ルーフ、ケイミューのスマートメタルの3つがある。ガリバリウムに2%Mg追加で錆に強く。
      横暖ルーフαプレミアムS(ニチハ)・・・横暖ルーフ(横暖ルーフS<横暖ルーフαS<横暖ルーフプレミアムS<横暖ルーフαプレミアムS)は防水性能に特化。、最低ランクの横暖ルーフSはガルバリウム鋼板だが、最高ランクのプレミアムSの方はMgを含むエスジーエル鋼板ので錆や断熱効果が高い。横暖ルーフαプレミアムSはフッ素含有のため手に入らない。フッ素をさらに塗布して耐久性や抗変色性を高めた。
      スーパーガルテクトの方がキラキラしている見た目と、断熱材の量で部があるか。断熱材は正直熱を抑える作用はあまり期待できず、どちらかというと金属音の軽減のため。耐用年数は25~30年だが途中に塗装等メンテナンスは必要。
    • ジンカリウム鋼板(Al:55%、Zn:43.3%、Si:1.7%)・・・シリコンがジンカリウム鋼板が0.1%多い。エコグラーニ。金属屋根材よりは少し重いが軽いディーズルーフィング材と呼ばれる。ジンカリウムは自然石粒が表面に付着していて、それが断熱材の代わりになる。10年で変色と石粒がはがれるとかだが、耐用年数はガルバリウムより長い。
  • アスファルトシングル・・・リッジウェイ、シングル、アルマ、オークリッジスーパー等。ガラス繊維にアスファルトをコーティングしたもの。耐用年数が10-20年と他と比較して短め。ストレートの半分の重さでとにかく軽く割れにくい。
    • 陶器瓦
    • いぶし瓦
    • セメント瓦・・・バンビーノ・テゴラ(大和スレート)。下地との間に空気層ができるので真夏の暑さを軽減。耐用年数30年、間10~15年で再塗装のメンテが必要。
    • 樹脂混入繊維補強軽量セメント瓦・・・別名ハイブリッド瓦。ケイミュー社のルーガ。重さは瓦の半分で、割れにくい(ハンマーでも割れないのでここがコロニアルと大きな差別化)。同じケイミューのコロニアルグラッサと同じようにグラッサコートしてある。ただ価格が高い。。。ルーガを扱うには講習会の受講等の色々制約があるらしく、扱える業者が限られる。
    • モニエル瓦・・・セメントに砂利を混ぜたもの。コンクリの表面にスラリー層と呼ばれる保護層があり、これをキチン取り除かないと再塗装したときにはがれてしまうので、手間がかかる上に、製造が終了しているため、葺き替えした場合にモニエル瓦は選択できない。

などがある。

重さは、金属屋根<アスファルトシングル<ハイブリッド瓦屋根

耐久性は、アスファルトシングル<ストレート(第三世代)<トタン<エスジーエル<ルーガ<セメント瓦<陶器瓦

価格は、アスファルトシングル<ストレート(第三世代)<エスジーエル<ルーガ=セメント瓦<陶器瓦<トタン。同じ葺き替えやカバー工法であれば、屋根材の費用の差が工事費用の差となる。

フッ素塗料は、蛍石を原料としたフッ素を配合した塗料。蛍石はリチウムにも使われるので現在段階的に値上がり中。「非粘着性(汚れを弾く)」「耐薬品性(酸性雨に強い)」「低摩擦性(汚れが滑り落ちやすい)」「耐候性(紫外線に強い)」という特徴がある。デメリットは伸びる力が弱いのでひび割れとコスト高。

屋根のメンテナンス

屋根材 メンテナンス時期 交換時期
ストレート 10年 20-30年
アスファルトシングル 10年 10-20年
ガルバリウム 15-20年 30-50年
セメント瓦 10-15年 30-40年
日本瓦 20-30年 50-100年
ルーフィング - 20-30年

ストレート屋根のメンテナンスとしては、耐用年数30年のコロニアルグラッサで考えると、コケや藻があったり、色褪せが出てきたころ(15年後位)に、ヒビやワレがなければ、一度再塗装のメンテナンスを行う感じになるかと思われる。そこで葺き替えすることになるならついでにルーフィングを変えればいい。

役物(やくもの)・・・基本形以外の形をした部分 棟包(むねつつみ)・・・屋根の頂上の屋根同士が付き合わされる部分 剣先(けんさき)・・・棟包の四隅の先の最後の部分? 軒先(のきさき)・・・軒は建物の外壁より飛び出している屋根の部分で、軒先は雨どいが設置される側、ケラバは設置されないへの字型をしている部分のはみ出た部分。軒先ゼロスターターを使用すると屋根が既存の軒先を飛び出ず、雨どい部分に上から被さらず雨どいを変えなくてもいいとのこと。 唐草(からくさ)・・・ケラバともいう 棟巴(むねともえ)・・・棟包がケラバと合わさる部分 鼻隠し(はなかくし)・・・軒先で雨どいを取り付ける下地となる。 棟板金(むねばんきん)・・・屋根の最も高いへの字型の部分に取り付ける屋根材 ケラバ板金・・・ケラバに使用される屋根材 雨押え板金・・・2階
ページトップへ